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企業の枠を超えた素早い対応 

~サプライチェーンと保全の連携~

· 経営者・役員,Interview

マンション管理業務において、建物の保全業務は居住者様の安心と資産価値を守る重要な業務です。kanri.online は、マンション管理会社と協力会社の連携を強化し、業務効率化と不具合対応の迅速化を実現しました。今回、システム導入の背景や効果、業界への影響についてお話を伺いました。

株式会社オフィス・ワン 代表取締役 上野氏
設備点検の専門会社の代表取締役。設備点検業務に関して25年以上の経験を持つ

明和地所コミュニティ  常務取締役 織戸氏
20年以上のマンション管理業界経験を持ち、保全部門の責任者としても長年の実績がある

明和地所コミュニティ  保全部課長 宮田氏
保全担当として現場対応を指揮

明和地所株式会社  執行役員CIO 茨木氏
kanri.online 事業の責任者。ITを活用した業務改革を推進

設備点検はマンションの資産価値を守るための重要な業務

マンション管理における設備点検の重要性について教えてください。

織戸氏:マンション管理会社の役割は、居住者様が安心して暮らせる環境を提供することです。そのためには、建物自体の安心・安全を守ることがとても大事になります。例えば、給排水管の破損や電気設備の故障が発生すると、居住者様の生活に大きな影響を与えてしまいます。こうしたトラブルを未然に防ぐために、設備点検は欠かせません。


上野氏:点検対象は、給排水設備や電気設備、消防設備などさまざまです。マンションの規模や構造によって点検頻度は変わりますが、一般的には年に3〜4回の定期点検を実施し、不具合を発見し迅速に対応できるようにしています。

宮田氏:定期点検を通じて、生活への影響が出る前に問題を発見できます。これが、居住者様との信頼関係にもつながりますし、建物全体の価値を守ることにもつながります。

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点検作業と同様に重要な報告書の役割

協力会社として設備点検を行う際に特に大変なことは何でしょうか?

上野氏:点検作業自体はスムーズに進むものの、その後の報告書作成に時間がかかり、長時間労働の大きな原因になっていました。

点検後にオフィスへ戻ってから報告書をまとめ始めるため、1日に3~4件の点検を終えた後、さらに2~3時間を費やしていました。翌日の準備も並行して行うため、残業が日常化し、現場スタッフにとっては大きな負担となっていました。

報告書の作成に関する負担は大きかったんですね

上野氏:はい。現場では測定値も手書きなので清書する必要がありましたし、写真付き報告書をExcelで作成しており、軽微な修正でも大変な手間がかかっていました。

例えば、写真を削除したり入れ替えたりする場合でも、1枚ずつ削除して詰め直し、新たに写真を挿入する必要があり作業効率が悪かったです。

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宮田氏:協力会社の皆様にとって報告書作成に手間がかかることは理解していますが、管理会社としては、この報告書がとても重要なんです。管理組合に点検結果を正確に伝えるためには、わかりやすい報告書が欠かせません。


織戸
氏:協力会社がどれだけ丁寧に点検しても、報告が不十分だと点検作業の価値が正当に評価されません。そのため、点検結果をしっかり伝える報告書が求められていました。。

「kanri.online」協力会社向け機能の導入と共同開発

そのような課題を解決するために、協力会社にもkanri.onlineを導入されたのですね。

織戸氏:社内では既にkanri.onlineを導入していたのですが、協力会社の皆様にも活用してもらえば、もっと効率化が図れるのではないかと考え、開発担当の茨木さんに相談しました。現場のニーズを反映させるため、協力会社である上野さんにも協力をお願いしました。

上野氏:実証実験のお声がけをいただいた際、現場の課題解決に役立つと感じました。『操作をシンプルにしてほしい』『過去の点検データを簡単に検索したい』『過去の内容を引用したい』などの要望を開発チームに伝えた結果、報告書作成の時間が大幅に短縮され、作業がより効率的で楽になりました。

茨木氏:現場で使用する方々の声を反映することは、開発において非常に重要です。月に2回程度ヒアリングを行い、使用した感想や要望を伺いながら開発を進めました。

kanri.online導入後は協力会社の生産性も向上

実際に導入してみて、どのような効果を感じましたか?

上野氏:点検の合間のスキマ時間に車の中で報告書を作成できるようになり、作業時間が大幅に短縮されました。報告書作成のためにオフィスに戻る必要がなくなり、残業も減少しました。

また、点検直後に写真を報告書に組み込めるので、写真の添付ミスがなくなりました。報告書の精度が上がったのは大きいですね。

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現場のリアルな課題に基づく改良

茨木氏:「車の中で報告書を作成したい」という声は新鮮な発見でした。リリース当初は「iPadを持って点検し、その場で入力する」ことを想定していました。しかし、設備点検の現場を訪れてみると、高所作業や暗所で片手がふさがる、雨天時にiPadの反応が悪くなる、精密機器の破損リスクがある場面が多くあるので、現場に合わせて、システムの仕様を変更しました。

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上野氏:点検の最優先事項は、迅速かつ正確に進めることです。作業しながら、逐一iPadで入力するのは現実的ではありません。現場では紙に記録し、車内でiPadで清書する形が一番効率が良いのです。

報告書が早く届くようになったことで居住者様からの信頼もUP

点検から報告書が届くまでにどれくらいの時間を要していたのでしょうか?

宮田氏:1ヶ月または2ヶ月かかることもありました。以前は、協力会社からの報告書は、月に一度報告書をまとめて送付されていたことが主な原因です。

茨木氏:月に一度にまとめるのは、郵送費の関係もあったと聞きます。

上野氏:はい、紙の報告書は郵送費の節約のため、まとめて送っていました。

宮田氏:その後、保全部がチェックして、フロントに報告書を渡すのですが、修正がある場合などは、報告書がフロントの元に届くのは、点検から約2ヶ月後になることもありました。

kanri.onlineの導入後は、早ければその日のうちに報告書が届きます。我々がチェックしてフロントが確認できるようになるまでのスピードも格段に早くなりました。

上野氏:基本的には点検当日か遅くても3日以内にはkanri.onlineで作成して都度送っています。

ステータス管理機能で報告書の修正も素早く

各報告書の「確定」「確認中」「差戻」のステータスが見られるようになって、現場からは好評だとか?

上野氏:報告書のステータス機能は、現場スタッフにとても好評です。

報告書を送った翌日や翌々日にステータスが「確定」と表示されると、しっかり確認されているという安心感を得られます。

kanri.online導入前は、忘れたころに報告書の修正依頼が来ることもありました。
今は、修正がある場合はコメント付きで「差戻」されるので直ぐに修正できます。

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サプライチェーンを含めた連携強化

協力会社などの取引先を含めたサプライチェーンをどのように考え、強化していきたいとお考えですか?

織戸氏:kanri.onlineは、単に私たち明和地所コミュニティの業務を効率化するとか、経費削減するためだけのものではありません。もちろん、効率化や経費削減は重要ですが、それ以上に、協力会社にもメリットを感じてもらい、結果的にフロントが本当に必要なものを管理組合にしっかり提案できる。そして、管理組合が納得して発注してくださる、そういった循環を作って行けるように全体の品質向上が大切だと考えています。

上野氏:そうですよね。マンション管理会社と我々のような点検業者がチームとして協力することが重要だと思います。お客様のマンションが適切に管理されることで、資産価値の維持・向上にもつながります。

茨木氏:kanri.onlineのミッションは、「”One Boat Spirit”の実現」です。

明和地所コミュニティ全体を一つのチームとして捉え、協力会社も含めて、グループ全体として成長していく。物件に関わるすべての人が情報を共有し、主体性を持って行動できる環境を目指しています。見えるべき情報は全員で共有し、見えてはいけない情報は適切に制限する。適正に情報を管理しながら、居住者様・理事会・管理員・協力会社・フロント・保全が一つのボートに乗り、オーナー様とその家族の暮らしを幸せにすることを理想としています。

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実際の事例とその効果

協力会社との連携が強化されたと実感するような事例があればお聞かせいただけますか?

宮田氏:例えば、受水槽の水位上昇を上野さんが発見した例があります。「緊急対応は不要で、経過観察は必要」と判断しました。そこで、保全部から管理員に毎日、写真撮影を依頼し、その写真を共有しました。台風などが来た場合は対応が必要になるのですが、そこまでのことは起きませんでした。

上野氏:以前は点検で発見した異常の情報共有が遅れがちでしたが、kanri.onlineの導入により、写真や状況報告が瞬時に共有されるようになりました。その結果、必要な対応がスムーズに行えるようになったと思います。

視覚的な情報で修理の意思決定をスムーズに

宮田氏:給水ポンプの故障では、現場写真と部品情報を迅速に共有し早期の修理につなげました。

修理には管理組合の許可が必要ですが、一般的に居住者様は設備にあまり詳しくないため、専門用語だけでは判断が難しいことがあります。そこで、協力会社からの写真や状況を資料に加えることで、視覚的な情報をもとに判断していただきやすくなりました。

また、居住者様としては、「給水ポンプ」という名前やその役割を知らない方も多いですが、「これです」と写真を示すことで、理解していただきやすくなり、納得していただけたケースも多くあります。

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織戸氏:迅速な情報共有により、居住者様に問題に対する進捗を明確にお伝えできるようになり、安心感を持っていただけるようになりました。
また、保全部やフロントの判断が早まることで、大きなトラブルを未然に防ぎ、安全確保にもつながっています。

迅速な判断が、素早く適切な提案を行うことを可能にし、管理組合との信頼関係の構築にも寄与しています。これらの取り組みが、管理組合からの信頼や明和地所コミュニティ全体の満足度向上に大きく貢献していると感じています。

その成果が評価され、昨年はSUUMOアワードの修繕部門で最優秀賞を受賞することができました。


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安心して使えるセキュアな環境

ITツールの導入で、セキュリティ面の不安はありませんでしたか?

茨木氏:近年、サイバーセキュリティの重要性が高まっており、サプライチェーン全体でのサイバーセキュリティ確保が課題となっています。従来のメールを中心としたやり取りでは、メール誤送信のリスクも懸念されていました。

上野氏:確かに、見積書の誤送信などの心配はありました。

茨木氏:添付ファイルのパスワードなども面倒ではありませんでしたか?

上野氏:管理会社から見積の依頼が一日に何十件と頻繁にメールで届くのですが、添付ファイルのパスワードは別メールで送信されてくるので、どれがどのパスワードだかわからなくなります。さらに期限が切れると開かなくなったりも・・

茨木氏:kanri.onlineは、物件ごとに宛先が管理されているので、データの誤送信が起きにくいように設計しています。

上野氏:kanri.onlineの「協力会社依頼書」機能を使い始めてから、メールのパスワードや添付ファイル期限切れ、複数メールの確認といった手間が解消されました。

さらに、マンション番号を選ぶと自動で物件名が表示される仕組みのおかげでヒューマンエラーが激減しました。

茨木氏:メールが誤送信されることもないですが、仮にメールが誤送信されても、他の人はデータをみることはできない設計です。

一般に取引先や協力会社の全てが、サイバー・セキュリティの一定水準を確保することはは難しいのが現実です。そのため、kanri.onlineのようなSaaSを導入し、一定のサイバー・セキュリティ・レベルを確保することで、サプライチェーン全体の安全性を高めることをが可能となっています。

上野氏:こうした仕組みのおかげで、セキュリティを高めながら煩わしさも減り、現場の負担が軽減されました。セキュアで効率的な運用ができる点で、大きなメリットを感じています。

茨木氏:協力会社と管理会社がまさに「一つのボート」に乗り、一緒に効率よく問題解決に取り組めていると思います。


業界全体への影響と未来

最後に織戸常務より、業界全体に対する影響や展望をお聞かせいただけますか?

織戸氏:kanri.onlineのように総合的にリンクされたシステムは、業界内にはこれまで存在しませんでした。会社の枠を超えた情報共有やサイバーセキュリティの確保により、サプライチェーン全体の業務効率と品質向上に貢献しています。

kanri.onlineは協力会社や管理組合を含むすべての関係者にメリットをもたらし、結果的に居住者様の安心と安全を高めています。

これからも、協力会社と管理会社がワンチームになって、全体のメリットを常に考えながら進めていきたいと考えております。居住者様・協力会社・明和地所コミュニティの全員が「win-win」の関係を築けるようにする。そうした視点を忘れずに取り組んで行く所存です。

本日は、貴重なお話ありがとうございました。


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